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2024/4/08

葬儀費用、家族や兄弟で負担する場合の分担は?

おとなKomachi編集部


葬儀費用は決して安価なものではありません。そのため、葬儀費用について兄弟や家族間で問題が生じることもしばしば。そういったトラブルを避けるためにも、事前にしっかりと話し合っておくことが大切です。

 

葬儀費用は誰が負担するの?

まず基本的に、葬儀費用は相続財産から控除が可能なので、故人が残した財産から支払うことができれば何も問題はありません。しかし、故人にそういった財産(預金)がなかった場合や、生前に葬儀費用にまつわる取り決めなどを行ってなかった場合は、一般的に喪主となった方が葬儀費用を負担します。

葬儀費用の負担について、支払いを求めて裁判になったケースもあります。最近の判例では、「原則として喪主(主宰者)の負担に帰属する」といった考えが取られており、喪主に支払い義務があるとされています。

喪主を務めるのは、夫婦の場合は配偶者、兄弟の場合は長男が務めるのが通例でした。「故人と一番近かった親族が喪主となり費用も負担する」、これが最も一般的な習慣です。

しかし、近年では家族形態も変わり、長男以外の方が家を継ぐ場合などもあるため、必ずしも長男が喪主を務めるわけではなくなっています。

 

喪主以外が葬儀費用を支払うケース

さまざまな理由から葬儀費用を喪主以外が支払うケースもあります。よくある事例を2つご紹介します。

 

1.経済的な理由で葬儀費用の負担が難しい

経済的な理由から、喪主が費用を負担することが難しいといった場合もあります。その場合は、親族に費用負担をお願いしたり、折半するといったケースも多く見られます。収入や財産など、経済的な状況を考慮して、それぞれの負担割合を検討することが多いです。

 

2.故人との間で契約や合意がある場合

故人が生前、残された親族や友人と何かしらの契約をしている場合や、遺言書や遺書に葬儀費用についての記載がある場合は、その内容に従って葬儀を執り行い、費用を支払うことになります。

 

葬儀費用の負担割合に法律的な決まりはない

故人との関係性から葬儀費用の負担割合を決める法律はありません。つまり、誰がどれだけ負担しなければならない、といった法的な決まりはないのです。

そこで大切になってくるのが事前の話し合いです。事前に兄弟や家族間で葬儀費用の負担割合について話し合っておくことが大切です。その際は、口頭での話し合いだけで終わりにせず、話し合いによって決まったことは、メールやLINE、文章などに残すようにしましょう。

 

兄弟間で葬儀費用の負担割合を決める場合の注意点

もし、兄弟の間で葬儀費用についての負担割合を決める場合、下記のようなことを基準に割合を考えるといいでしょう。

・遺産相続の割合
・年収や経済状況
・親からの金銭的な援助
・年齢
・序列
・両親との同居の有無

両親と同居している兄弟がいる場合、日頃から両親の生活を見ており、交友関係や意志などを把握していることが多く、財産の管理を任されている場合も。そのような場合は、序列(長男、次男など)にかかわらず、その方が喪主を務め、葬儀費用を負担するといったケースはよくあります。

 

上記の基準はあくまで一例ですが、こういったことを参考に負担割合を協議してみてください。また、その際には、両親の意志を尊重したうえで、どのような葬儀にしたいか葬儀についての価値観についても話し合っておくといいでしょう。

いくら兄弟とはいえ、成人し、さまざまな環境で別々に暮らしていれば、価値観などは個人によって異なってきます。後々のトラブルを回避するためにできることは、事前の話し合いです。家族が集まる際に、そういった機会を設けてみてください。