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2023/8/01

終活“はじめの一歩”まずはこの5つから

おとなKomachi編集部


終活カウンセラーに教わる、終活“はじめの一歩”

「終活」といっても幅広く、まずは何から始めたらいいのやら…。そんなお悩みを抱えている方、たくさんいるはずです。そこで、一般社団法人 終活カウンセラー協会の理事を務める井上智則さんに、まだ終活になじみがない方でも、簡単に始められる5つの項目を教えていただきました。

一般社団法人 終活カウンセラー協会 理事

井上智則さん

新潟県新潟市にて介護施設「ケア・クリエイト・アソシエーション」8事業所と学習塾を経営。自らはケアマネージャーとして利用者、家族と関わるかたわら、認知症・介護制度の専門家として、全国の介護施設での研修、企業・団体での講演などを多数行っている。

1.部屋の片付けをしましょう

年齢を重ねると、モノに対しての執着が強くなり、なかなか捨てられなくなります。デパートの紙袋や包装紙、景品などをはじめ、壊れたモノも手元に残しておきたがる方が多いのが現状です。そのため、追々、家族が膨大なモノの処分をしなければいけないことに…そしてその費用も負担しなければなりません。

モノの整理は歳をとってからでは体力的にも精神的にも難しくなってしまうので、元気なうちに部屋の片付けをしておくことをおすすめします。部屋が片付くことで家の中もキレイになり、転倒する危険なども軽減され、さらには掃除もしやすくなるなど、いいことづくめ!です。

「モノがあるほどお金がかかる」と意識し、なるべくモノをため込まない、不要なモノは捨てる習慣を少しずつ身に付けていってください。

 

2.写真の整理をしましょう

そのままにしておくと貯まってしまいがちな写真。でも、写真はその人の人生の歩みを残すものでもあるので、無理に捨てようとせず、まずはアルバムにまとめるだけでもいいので、写真の整理をしてみるといいですよ。アルバムにまとめておけば、家族で見返すこともできますし、探しやすくなります。

アルバムに入り切らない写真は、写真屋さんなど、プロの業者に頼んでデジタル化してもらうのもおすすめです。

 

3.デジタルデータの整理をしましょう

今、最も注目度が高いといっても過言ではないのが「デジタル終活」です。スマホやパソコン、インターネットの普及で、あらゆる世代にとって、デジタルが身近なものになりました。

しかし、デジタルの世界は本人でなければわからないことがたくさん。例えば、SNSやサブスクリプションサービスのパスワード、インターネット上に開設した口座など…中には解約しなければ一生サービス(費用の負担)が続いてしまうようなものもあります。

さらにスマホのセキュリティーロックは6桁以上の数字では、まったくヒントがない場合、ほぼ100%に近い確率で、解除が不可能と言われています。

元気なうちに、ご自分が加入しているサービスやSNSなど、何をやっているかだけでも家族に伝えておくことをおすすめします。また、パスワードを伝えるのが心配な方は、せめてパスワードを解除するためのヒントだけでも伝えておきましょう。

 

4.紙の資産を整理しておきましょう

銀行の通帳や、保険の証書、土地の使用権など、紙で残されている資産をまとめて整理しておきましょう。保険証など公的な書類もまとめておくといいですよ。これらは万が一、ご自身の身に何かあった際、ご自分のためはもちろん、残された家族のためにもなります。

終活は今の自分を知るための活動でもあるので、今現在、ご自分にどんな資産があるのか、一度まとめて把握しておくことをおすすめします。

 

5.エンディングノートの書けるところだけ書いてみましょう

エンディングノートで挫折してしまう原因は「すべてを埋めようとする」ことです。1ページ目から順番に埋めたりしなくていいんです。書き始めて、すべての項目を書き終えることができる人なんて5%程度です。書けないところは飛ばして、書きたいページ、書けるページから書いていったらいいんです。

多くの方が、お金にまつわるページで手が止まります。お金のことを書くと、家族などに対して不信感が生まれてしまう方が多いんですよね。

エンディングノートを選ぶ際に意識してほしいのが、自分の思いや気持ちを書き残せるページがあるかないかです。家族への感謝の気持ちや今の自分の気持ちなどが、きちんと書き残せるエンディングノートを選ぶようにしてください。

また、思いや意志、状況などは月日とともに変化するものなので、エンディングノートは毎年更新することをおすすめします。日記や手帖のような感覚で毎年新調し、その時の自分の思いや状況を書き残すようにしましょう。翌年になって、前の年のものを読み返すのも、自分を知るいい機会になりますよ。

 

こちらは終活カウンセラー協会が発刊しているエンディングノート「マイ・ウェイ」(本体1,000円+税)。

文字や行間も大きくて書きやすく、もちろん、自分の思いを書くページもあります。

 

一般社団法人 終活カウンセラー協会 理事
井上智則さん

「私たちが作るエンディングノートは、終活のプロ集団が監修した一冊になっています。終活カウンセラー協会主催のセミナーなどで購入することができます。ご自身のためはもちろん、家族やご両親へのプレゼントに購入されていく方も多いですよ」


取材協力 ケア・クリエイト・アソシエーション

住所 新潟市西区小針2-35-5 佐山第一ビルA号
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