icon

2023/10/12

葬儀の知識|家族や喪主が葬儀までにやること

おとなKomachi編集部


葬儀の準備に法的な手続き…やることがたくさんあります

はじめて葬儀を執り行う際、一体、何から手を付けたらいいの…? 大切な人を失い、悲しみの最中で葬儀の準備から行政への手続きなど、実はやらなければいけないことがたくさんあります。そこで、今回の記事では、家族や近しい人が亡くなった後から、葬儀を行うまでにやらなければならないことについてを解説します。

ご臨終から葬儀までにやること

ご臨終を迎えたら

臨終を迎えたら、必ず医師に死亡診断書を書いてもらう必要があります。自宅で亡くなった場合も、医師によって自然死が確認されるまで、決してご遺体を動かしてはいけません。主治医がいなければ、近所の耳鼻科医や眼科医でも構いません。どうしても連絡がとれない場合は、110番をして警察医を呼びます。

 

死亡届の提出と埋火葬許可証の取得

家族が亡くなった際に必ずやらなければいけないのが死亡届の提出です。死亡届は死亡診断書とセットになっており、医師が記入した死亡診断書ととともに市区町村役場に提出します。この時、埋火葬許可申請書も一緒に提出し、埋火葬許可証ももらっておきましょう。埋火葬許可証は火葬の際に火葬場へ提出する書類で、火葬後に埋葬許可証が交付されます。死亡届は亡くなった日(亡くなった事実を知った日)から7日以内ですが、当日か翌日には提出するのが一般的です。書類の提出は葬儀社が代行してくれるケースもあります。

 

葬儀社と式の選定

大切な家族の最後を飾る葬儀。葬儀社はそのすべてを任せることになる重要なパートナーです。選ぶ際は、じっくりと内容を検討して、くれぐれも慎重に選びたいものです。とはいえ、悲しみのまっただ中にいる間に冷静な判断は時に難しいことも。特にはじめての葬儀となるとなおさら。葬儀社選びは万が一に備え、事前に行っておくことをおすすめします。

 

喪主の人選

ご遺族の代表として葬儀を執り行い、弔問を受けるのが喪主の務めです。始めに通夜や葬儀について、僧侶や葬儀社との打ち合わせを行わなければならないため、何よりも早く人選をする必要があります。

 

寺院への連絡

家族に不幸があったら、すぐに菩提寺に連絡し、葬儀の日程や参列してもらう僧侶の人数などを相談します。本来は喪主を含む遺族代表の2人で「御仏供米(おぶくまい)」を持参して知らせるのが礼儀ですが、最近では非礼を詫びたうえで、電話で連絡・依頼する場合も多く見られます。菩提寺がない場合は、葬儀社に喪家の宗派を告げて相談すれば、同じ宗派の寺院を紹介してもらえます。菩提寺が遠く離れていて葬儀を依頼できない場合は、必ず菩提寺に連絡をとって、近くにある同じ宗派の寺院を紹介してもらいましょう。謝って違う宗派の戒名を授かったりすると、菩提寺のお墓に入れなくなることがあるので注意してください。

 

ご遺体の搬送

霊安室に移されたご遺体は、なるべく早く自宅か葬儀会場へ搬送します。搬送する際は、葬儀社に頼んで専用の寝台車を用意してもらいましょう。家族が自家用車やレンタカーで運んでも法的には問題ありませんが、その際は犯罪などの余計な嫌疑が掛からぬよう、死亡診断書を必ず携帯してください。ちなみにタクシーで搬送することはできません。「貨物自動車運送事業法」という法律で禁じられています。

 

ご遺体の安置

病院から自宅へ帰ってきたご遺体は、納棺まで自宅で安置します。この際、ご遺体の向きは北向きにする「北枕」が一般的です。安置が済んだら、枕飾りを用意し、僧侶を招いて枕経(まくらきょう)をあげてもらいます。枕経が済んだら、通夜までに遺体を棺に収めます。現在では葬儀社より専門員が派遣され、自宅で洗体や洗髪をし、棺に収めるケースも増えています。

 

通夜の準備

喪主が中心となって葬儀社と一緒に通夜の準備を行います。通夜や葬儀で必ず必要になる遺影は、事前に用意しておくのがいいでしょう。写真を葬儀社に渡せば、大きく引き延ばしてくれます。服装や背景は葬儀社が修正することも可能ですので、なるべく故人らしい表情がはっきりしたものを選ぶといいでしょう。その他、菩提寺に戒名の依頼、通夜や葬儀の日程をお知らせする死亡通知も用意する必要があります。

 

通夜から葬儀まで

通夜(通夜振る舞い)が終わった後は、葬儀を円滑に包めるために葬儀社と一緒に細やかな打ち合わせをします。特に重要なのが、進行の確認、席次、読み上げる弔電とその順番、葬儀の時間配分、焼香の順番、火葬場へ同行する人、お斎を行う場合はその出欠の確認などです。弔電については必ずご遺族が目を通し、名前の読み方も確認しておきましょう。

 

 

家族葬が定着しつつある昨今、簡略化され、遺族や故人の意思で行わないケースもあります。家族や親族が亡くなった際に喪主や遺族が行わなければいけないこと、として、少しでも皆様の参考になれば幸いです。