icon

2024/5/22

お墓についての基礎知識|お墓の種類と建てる時期

おとなKomachi編集部


一般的なお墓は「家墓(いえはか)」と「個人墓」

お墓は埋葬の仕方によって、いくつか種類がありますが、一般的なお墓としては「家墓」と「個人墓」があります。

家墓

家墓は、家単位で代々の遺骨を納骨するお墓で、代々墓とも呼ばれます。墓石には家名の文字が刻まれ「○○家之墓」「○○家先祖代々之墓」などと刻まれます。そのほか、宗派によっては「南無阿弥陀仏」「南無妙法蓮華経」などを刻む場合もあります。また、遺骨を納骨する際、墓石に故人様の戒名や名前、没年月日を刻む場合もあります。

個人墓

一人の遺骨だけを埋葬する一代限りのお墓です。墓石にも一人分の戒名や名前などしか刻みません。また、夫婦二人を埋葬する夫婦墓もあります。個人墓は、永代供養墓や霊園などによく見られるお墓の種類です。

 

一般的なお墓の構成

基本的なお墓の構成としては、墓石を中心として、その下に遺骨を納めるカロート(納骨棺)を設けます。このカロートには、墓石下の地面に埋める地中式と、地面の上に設置する地上式の2つがあります。

カロートの内部には棚が設置されていて、墓地の広さにもよりますが、6~7個の骨壺を納められるものが多いようです。また、柵がないカロートもあり、納骨の際には、遺骨を直接カロート内部にまく方法もあります。

 

このほか、お墓参りの際に使用する花立てや線香立て、隣接するお墓との境界を示す境界石や外柵などがあります。

 

近年注目を集める個人墓「永代供養墓」とは

核家族化や少子化が進んだ現在、跡継ぎがいないため、お墓を購入できないという人が増えてきています。こうした声を反映して、近年注目を集めているのが「永代供養墓」です。

永代供養墓は、寺院や霊園が子孫に代わって供養を行うお墓のことです。永代供養墓の埋葬の仕方は寺院や業者によってさまざまで、一人の遺骨だけを埋葬する「個人墓」、夫婦の遺骨を埋葬する「夫婦墓」、家墓にとらわれたくない人たちが一つのお墓に埋葬される「合葬墓・合祀墓」などがあります。

永代供養墓に入るには、お墓の管理者側が定めた条件を満たしている必要があるので、事前にしっかりと調べたうえで、検討するのがいいでしょう。

 

お墓を建てる時期に決まりはある?

宗教や宗派によって異なりますが、一般的な仏教式の場合、法要に合わせてお墓を建てるといいでしょう。四十九日や一周忌、三回忌の法要に合わせて建てるのが一般的とされています。なお、法要以外の時期ではお彼岸やお盆などに合わせて建てるのが一般的です。

お墓を新しく建てた際は、お墓に魂を入れる「開眼法要」を行う場合もあり、この儀式も法要と同時に行われることが多いです。開眼法要は、「魂入れ」「入魂式」ともいわれ、お墓に魂を入れてもらうために行います。開眼法要の際は、墓前に祭壇を飾り、僧侶に読経してもらいます。この儀式で、お墓は単なる石からお墓としての意味を持つようになります。

開眼法要を行う時期としては、お墓が完成した後の法要の際に一緒に行うのが一般的です。日程を決めたら、寺院に相談し、僧侶の指示に従って行います。

 

また、生存中に自分のお墓を建てておくこともできます。生前にお墓を建てることを「逆修(ぎゃくしゅう)」といい、そのお墓を「寿陵(じゅりょう)」、つまり生前墓といいます。生前に戒名をいただいた場合は、墓石にその戒名を刻むこともあります。

 

墓地を購入してもすぐにお墓を建てられない場合や、今すぐお墓が必要でない場合でも、墓地を更地のまま放っておくのはよくありません。隣接するお墓との境目を示すための境界石や外柵などを作り、木製の角塔婆(かくとうば)を建てるのが一般的です。

角塔婆は、墓石と同じように、戒名や名前、没年月日を記載しておきます。また、先にカロートだけを設置しておけば、墓石はなくてもお墓の役割を果たします。