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2024/7/05

家族葬について|送る側・送られる側がそれぞれ準備しておきたいこと

おとなKomachi編集部


葬儀はいつか必ず誰にでも訪れることです。多くの方が、自分が送る側の役割を果たした後は、送られる側になります。そして、葬儀を行うのは、特殊なケースでない限り、家族や親族になります。これは家族葬でも同じです。

家族や親族の間で葬儀についての話をしようとすると「縁起でもない」「まだ早い」といった意見が生じるかもしれません。しかし、葬儀について、送る側・送られる側それぞれがきちんと話し合い、意志の疎通をしておくことが、大切な家族や親族を困らせないためにとても重要なんです。

 

まずは家族・親族で話し合う機会を設けましょう

送る側・送られる側、どちらにとっても大切なのが家族・親族できちんと話し合っておくことです。まずは葬儀を執り行う際、喪主になるであろう家族との話し合いをしておきましょう。葬儀の話について「まだ早い」と思う方も多いかもしれませんが、では逆に、いつなら「ちょうどいい」のでしょうか。

いざという時ではすでに手遅れです。「まだ親が元気だから」。そのタイミングです。元気だから話し合っておく必要があります。親御さんの認知機能が低下してしまった時やケガや病気で入院してしまった場合などでは、冷静に、正確に、本人の意志を聞き出すのは難しいかもしれません。元気な今だからこそ、お互いの意志を確かめ合うために、葬儀について話し合っておくことをおすすめします。

「最近亡くなった○○さん、こんな葬儀だったらしいよ」

「家族葬ってよく聞くようになったよね、どう思う?」

など、世間話の延長でも構いません。葬儀について切り出した後は、誰を呼んでほしいか確認するといいでしょう。葬儀の規模は参列する人数によって変わってきます。家族や親族だけでいい、もしくは友人も○○さんと○○さんの数名程度でいい、といったことであれば家族葬を、仕事でお世話になった人や友人、隣人も幅広く呼んでほしい、といった希望があれば一般葬を検討することができます。

 

家族や親族同士だからこそ、つい感情的になってしまい、冷静に話し合いができない、といったケースもあります。そんな時は葬儀のプロに頼るのも手です。話し合いに第三者、つまり他人が介入することで、冷静に話し合いが進む場合も。さらにプロの確かな意見を耳にすることで、より正確な判断ができるようになります。

 

喪主(送る側)が準備しておきたいこと

送る側、つまり葬儀を執り行う側にとって大切なのが喪主としての役割です。喪主は、葬儀社と協力して、葬儀を滞りなく進めていく役割を担います。葬儀は一度きりしか行えません。限られた時間の中で納得のいく葬儀を行うために、親御さんを送るケースと仮定し、事前に確認しておけるといいことの一例をまとめました。

 

・誰を呼んでほしいか
・呼んでほしい友人や知人の連絡先
・親族の連絡先
・どんな葬儀にしたいか
・葬儀にかける予算
・希望する葬儀社はあるか
・葬儀社の互助会や会員などに加入していないか
・貯金通帳や印鑑の在処の確認
・葬儀で特別行ってほしいことがあるか、ないか
・好きな花
・遺影になりそうな写真の準備
・菩提寺や宗派
・棺に入れてほしいもの(普段肌身離さず大切にしているもの)

 

親御さんと離れて暮らしている方にとっては、なかなか簡単にできないものもあるかもしれません。離れていても日頃から電話やLINEなどでこまめに連絡を取り、世間話の延長から、このようなことを聞き取れるといいですね。

 

また、ご遺族で困られるケースが多いのが意外にも遺影です。コロナで外出する機会が減ってしまったこの数年。「遺影用の写真がない…」といった方が多く見られます。家族で出かけた際には積極的に写真を撮るようにしましょう。

 

送られる側が準備しておきたいこと

前述のとおり、送る側には準備しておくことや、葬儀当日はもちろんその前後にも慌ただしい中でやるべきことがたくさんあります。送る側、つまり家族や親族が困らないために、送る側がそれらを確認できるきっかけや機会を自ら設けることも大切です。

そして、自分の意志をしっかりと伝えること。送られる側にとって、まずはそれがとても重要になります。面と向かって話し合うのが苦手であれば、年に一度、エンディングノートを作成するのもいいでしょう。意志や思いは変わるものなので、一度書いたら終わりではなく、年に一度はエンディングノートを更新することをおすすめします。

日頃から日記を書く習慣がある方は、日記帳のどこかに書き残しておくのもいいでしょう。エンディングノートや日記帳など、自分の意志を書き残したものがある、ということを家族に知っておいてもらいましょう。「今見られたら困る」という方は、在処まで知らせなくてもいいです。その存在があるということだけ知らせておけば、家族も安心します。