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2023/11/28

より快適に、住みやすく進化する高齢者向けの住まいや施設

おとなKomachi編集部


新潟にもさまざまな高齢者向け住宅があります

自宅での生活が困難になった時、頼りになるのが高齢者向けの住まいです。大きく分けて民間と公的な施設に分かれます。判断の基準は費用が大きく関わってくるかもしれません。新潟にある高齢者向け住まいについて、詳しい内容を、介護の業界で活躍する三方憲子さんにお聞きしました。

※本記事は2023年9月時点の取材に基づく内容となります。

介護福祉士/介護支援専門員

三方憲子さん

ケアマネジャーの資格も持ち、現在はケアマネジャー受験対策講師として活躍。YouTubeチャンネル「【ケアマネ合格革命】三方 憲子」も開設し、学べる動画を配信中。

元気なうちに話し合いを 迷った時はプロを頼って

在宅での介護が難しくなった場合は、施設などへの入居を検討しなければいけません。

「将来どのような施設で暮らしたいか、親御さんが元気なうちに話し合っておくことが実はとても重要です。難しい話題ではありますが、『思い描いている最期ってある?』など、あなたの意向を聞きたい・叶えたいという気持ちが伝わるように話し合い、できれば施設見学まで一緒にできるといいですね」(三方憲子さん)。

高齢者向けの介護施設はまず、民間の施設か公的な施設かに大きく分かれます。明確な違いは費用面。公的な施設は公費補助となるため費用が抑えられます。その分、待機者が多く入居が困難な場合も。

一方、民間の施設は費用は高くなりますが、工夫を凝らした充実のサービスやホテルのような設備を用意して、入居者の暮らしを支えてくれます。

どんな施設やホームが合っているのか、どう選んだらいいのか…。迷った際はプロに相談してみるのも手です。

高齢者が暮らすための民間施設

1.介護付き有料老人ホーム

充実した設備が整った施設で介護サービスが受けられる
24時間介護スタッフが常駐し、食事や入浴、着替えなどの介護サービスをはじめ、リハビリやレクリエーション活動などがある。設備やサービスが充実している反面、費用は比較的高め。自立でも入れるホームが多い。

2.住宅型有料老人ホーム

要介護になった場合は外部の在宅介護サービスを利用
自立や要支援、要介護度が低い高齢者を対象とした施設。食事や洗濯といった生活支援サービスが受けられる。施設スタッフによる介護サービスの提供はなく、要介護となった場合は在宅サービス事業者と契約が必要になる。

3.サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

高齢者が安心して暮らせるバリアフリー完備の賃貸住宅
介護・医療と連携し、バリアフリーが完備された高齢者向けの賃貸住宅。単身はもちろん、夫婦でも入居ができる。有資格者の相談員が常駐し、安否確認や生活相談のサービスが受けられる。通称“サ高住”。

4.健康型有料老人ホーム

元気・健康の維持を目的とした立者限定のホーム
身のまわりのことは自分でできる高齢者向けの住宅。家事サポートの依頼は可能。元気な状態を維持することを目的としているため、温泉やスポーツジムなどが併設されている施設も。要介護になった場合は退去することになる。

5.シニア向けマンション

資産として購入できる高齢者向けの分譲住宅
通常のマンションに高齢者向けのコンシェルジュやアクティビティなどを設置した住宅。購入後は所有権を伴う資産となり、他人への譲渡や相続ができる。全国的にも施設数は少なく、新潟県内にはまだない。

 

高齢者が暮らすための公的施設

1.特別養護老人ホーム(特養)

在宅での生活が困難な高齢者が終身にわたり入居可能
常時介護を必要とし、在宅での生活が困難な高齢者に対して、24時間体制で介護サービスが受けられる施設。原則として終身にわたり入居できる。民間の施設に比べて費用が安いため、待機者が多く入所が難しい場合も。

2.介護老人保健施設(老健)

リハビリや機能訓練によって在宅復帰を目指す
長期入院を経た要介護者で、在宅復帰を目指している高齢者を対象としている。リハビリ専門職員や介護職員が多く在籍し、自立した生活ができるよう、リハビリを中心に機能訓練機器が充実している。

3.介護医療院

長期的な医療と介護が必要な高齢者に十分な医療ケアを提供
長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象に、医療と介護、そして生活の場を提供する施設。ターミナルケア(終末期医療)も行っており、重度の要介護者でも十分な医療ケアを受けながら安心して生活ができる。

4.認知症対応型グループホーム

認知症と診断された高齢者のみが入居できる
認知症と診断された高齢者だけが入居できるケア付き住宅。24時間専門的援助体制のもと、一つの共同生活住居で介護スタッフとともに5人~9人のグループで生活する。基本的に、その地域に住民票がある人しか入居できない。

5.軽費老人ホーム・ケアハウス

低額で入居できる有料老人ホーム
身寄りがない、または家庭環境や経済状況などの理由によって、家族との同居が困難な高齢者が低額で入居できる有料老人ホーム。自立型と介護型の2種類がある。低料金ゆえに待機者が多く、入居までに時間がかかる。

6.高齢者向け優良賃貸住宅

“サ高住”への一本化によって減少傾向、入居も困難に
都道府県の認定を受けた高齢者向けの賃貸住宅。建物の一部、もしくは全部を高齢者が暮らしやすいように改良されていて、緊急時対応サービスや家賃補助制度による経済的サポートも受けられる。サ高住への転換のため減少。