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2023/11/14

介護にまつわる給付金や制度について知っておこう

おとなKomachi編集部


介護が必要になった時、頼れる給付金や制度があります

介護リフォームをはじめ、介護用品のレンタル、介護休業法など、介護が必要になった時、家族を支えるための給付金や制度がいくつもあります。介護について幅広く知識を持つ、介護福祉士/介護支援専門員の三方憲子さんに、数ある制度のなかから、身近な9つを教えてもらいました。

※本記事は2023年9月時点の取材に基づく内容となります。

介護福祉士/介護支援専門員

三方憲子さん

ケアマネジャーの資格も持ち、現在はケアマネジャー受験対策講師として活躍。YouTubeチャンネル「【ケアマネ合格革命】三方 憲子」も開設し、学べる動画を配信中。

介護にまつわる給付金や制度アレコレ

1.居宅介護をサポートしてくれる「福祉用具貸与の給付」

車椅子や介護用ベッドなど、居宅介護に必要な福祉用具13品目を介護保険でレンタルできる。腰掛け便座などレンタルに適さない用具は、特定福祉用具販売として、年間10万円を限度に保険給付の対象で購入できる。

 

2.意外とお金がかかる衛生用品「紙おむつの支給」

紙おむつを必要とする40歳以上の在宅の要介護認定者に、紙おむつの無料引換券を交付してくれる。引換券を利用している人に対しては、紙おむつなどを捨てるためのごみ袋の支給もある。

 

3.自宅での自立生活を支える「住宅改修費の支給」

手すりの取り付けや段差の解消など、工事を伴う軽易な住宅改修には、一つの住宅に対して20万円を限度に工事費の7~9割が支給される。改修前に市へ事前申請を行い、工事内容の確認を受けてから進めることに。

 

4.いざという時の備えに「住まいの地震対策の助成」

耐震設計や耐震改修工事、耐震リフォーム工事、耐震シェルターの設置工事、家具転倒防止といった耐震にまつわる工事費用の一部を助成してくれる。また、木造住宅の耐震診断は無料で行ってもらえる。

 

5.医療保険・介護保険の利用者に「高額医療・高額介護 合算療養費制度」

医療保険と介護保険のどちらも利用する世帯が、1年間に利用した保険の自己負担の合算額が高額な場合、自己負担分を軽減できる制度。自己負担限度額は世帯や個人の所得、年齢によって異なる。

 

6.自己負担額を軽減「高額介護サービス費」

公的介護保険の1カ月間の自己負担額が、個人所得や世帯所得によって決まる月々の負担額上限を超えた場合に、超過分が「高額介護サービス費」として払い戻される制度。

 

7.離れて暮らす親子も安心「航空会社の割引サービス」

「ANA」「JAL」「スターフライヤー」「ソラシドエア」では、離れた土地で暮らしながら遠距離で介護をする人を対象とした介護割引運賃を用意している。通常の運賃に比べて、3割~4割程度安く利用できるありがたい制度。利用には必要書類などもあるので、各社の条件をチェックして。

 

8.賃金保障もあるから心強い「介護休業制度」

要介護状態にある対象家族を介護する労働者に対して、介護と仕事が両立できるよう、対象家族一人につき通算して93日まで、3回を上限に、分割して介護休業を取得することができる。また、介護休業を取得し、一定条件を満たした人は休業開始時の月額賃金の67%が支給される。

 

9.介護離職を防ぎたい「介護休業法」

介護離職を防ぐために、右記の「介護休業制度」をはじめ、「介護休暇制度」「所定外労働の制限」「時間外労働の制限」「深夜業の制限」「介護のための所定労働時間短縮等の措置」といった制度が整えられている。支援制度は企業によって異なる。

正しい知識を身に付けて悩みや不安を軽減しましょう

介護についてはまだ先のこと、という方も多いかもしれません。しかし、正しい知識を身に付けておくことで、悩みや不安が少し和らぎます。知っておくことで備えられることも増えてきます。

気持ちが向いた時に、今できることからで大丈夫です。いつかのために、まずは知っておくことから始めてみませんか。